企業組織再編税制-その7
»2010年9月25日 (土)
企業組織再編成の手法
(6) 事後設立
事後設立とは、まず既存の会社が金銭を出資して新たに法人を設立し、その後、出資をした会社がその資産を新会社に時価で売却し、再び金銭を受け取ることで、結果的は、出資をした会社が、現物出資により新会社を設立したのと同じ結果を得られる手法をいいます。
事後設立は、資産の移転に伴い金銭の授受が行われ、その価額は時価となるため、譲渡損益を認識することとなります。しかし、法人税法では、事後設立が現物出資の代替として用いられる場合は、結果的に、同様の効果が期待できることから、時価による譲渡並びに金銭の授受があることを前提とした上で、次の要件を満たした事後設立については、適格事後設立として課税を繰り延べることとしています。
1.出資した会社がその資産・負債を新会社に移転するまで、新会社の株式を100%保有していること
2. 出資した会社が新会社の株式の100%を事後設立後も継続して保有する見込みがあること
3.資産等の譲渡が新会社設立時に予定されており、かつその設立後6月以内に行われたこと
4.資産等の譲渡の対価が新会社設立時の払込金銭の額とおおむね同額であったこと
適格事後設立に該当する場合は、出資会社は、いったん計上した資産の譲渡益を、受け入れた子会社株式の価額につき修正損を計上することで、相殺し、課税を繰り延べます。
また、新会社においては、その帳簿価額修正損益に相当する金額を資本積立金として、移転資産の価額を税務上の簿価に修正します。