【R6年度税制改正】飲食費の1万円基準と送迎費の正しい処理法
»2025年4月20日 (日)
令和6年度の税制改正により、飲食費の基準が「1人当たり5,000円以下」から「1万円以下」へ引き上げられました。これにより損金算入のハードルが下がりましたが、送迎費との区別がますます重要になっています。
飲食費として損金算入できるのは、飲食店に直接支払う飲食代、サービス料、テーブルチャージ料などであり、タクシー代や送迎車の費用は「飲食費」ではなく「交際費等」に該当します。たとえば、飲食代6,000円とタクシー代3,000円を合算して9,000円として処理するのは誤りで、資本金1億円超の法人の場合はタクシー代は損金不算入の交際費扱いとなります。
また、タクシーチケットを利用した場合には「支払日」ではなく「乗車日」が経費計上の基準となる点にも注意が必要です。決算期をまたぐ場合、乗車日が属する期に交際費として処理します。
一方で、送迎の車内で飲食が提供されるようなケース(例:リムジン内での会食など)では、例外的に「飲食費」と認められる可能性があります。
飲食費として処理するためには、日時・場所・金額・相手先などを記載した書類の保存が必須です。これを怠ると1万円以下でも交際費とされる恐れがあります。
改正をきっかけに、飲食費と交際費の違いをしっかり理解し、正確な区分と記録を心がけましょう。特に中小企業では「定額控除限度額の特例」も活用できるため、正しい処理が税務対策のカギとなります。