グループ法人税制-その5
受取配当等と寄附金の取扱い
会社は利益が出ると、それを配当金として株主に分配します。出資してくれたことに対する“お礼”です。でも、その配当金は、税金を払った後の利益の中から払うことになっています。一方、株主が法人である場合は、受取った配当金はそのままでは会社の利益となって、税金の対象となってしまいます。
つまり、同じ利益に対して、払う側と受取る側の両方で税金がかけられることとなります。このため、法人税法では、このような二重課税を回避する目的で、法人が受取った配当金については、益金不算入とする制度を設けています。
グループ法人税制でも、100%支配グループ内の法人からの配当等については、益金の額に算入されません。加えて、通常、法人が支払った借入金の利子のうち、配当の対象となった株式等の価額がその法人の総資産に占める割合に対応するものは、益金不算入となる配当等の額から控除されることとなっています(これを「控除負債利子」といいます)が、これも、グループ法人税制では控除されません。したがって、100%支配グループ内の法人からの配当等については、その全額が益金不算入となるというわけです。
一方、100%支配グループの法人間で寄附を行った場合は寄附金を支出した法人側は全額損金不算入とするとともに、これを受領した法人においては全額益金不算入とし、その金額を受領した法人の利益積立金額に加算することとなっています。
ただし、この取扱いは100%支配グループの法人間にのみ適用されるもので、個人によって支配されている100%支配グループについては、従前と変わらず、寄附した法人側は一定の損金算入限度額を超過する部分のみ損金不算入となり、寄附を受けた法人側では全額、益金の額に算入されることとなりますので、ご注意下さい。