設立期間中に発生した費用
»2010年7月30日 (金)
会社は、その設立登記をして初めて成立するもの(会社法49条)であり、税務上も、設立後最初の事業年度の開始の日を法人の設立の日、つまり、設立登記をした日と規定しています。
したがって、設立登記前の費用や収益は原則として、個人事業のものと認められるものは個人事業に係る損益として取扱われ、それ以外のものは、設立した法人とは別の「人格のない社団等」に係る損益として取扱われます。
しかし、設立登記前の期間が短い場合などは、その間の損益を設立後の会社と区分して計算し、申告することは煩雑であり、また、一般的に金額もそれほど多額とはならないことから、「法人の設立期間中に当該設立中の法人について生じた損益は、当該法人のその設立後最初の事業年度の所得の金額の計算に含めて申告することができるものとする」とされています。
ただし、「設立期間がその設立に通常要する期間を超えて長期にわたる場合における当該設立期間中の損益又は当該法人が個人事業を引き継いで設立されたものである場合における当該事業から生じた損益」については、この限りではありませんから注意が必要です。
この「設立に通常要する期間」とは一般的には1ヶ月以内と解されているようです。
なお、このような場合でも、設立第1期の事業年度の開始の日は設立登記の日ですから、減価償却費の償却限度額や交際費の損金算入限度額の計算等は設立登記の日から事業年度末までの月数で計算することになります。