貸倒れ損失とは
»2010年7月18日 (日)
貸倒れ損失とは、売掛金、貸付金、未収金などの債権の回収不能による損失額をいいます。ただし、貸倒れ損失が税務上、認められるためには、以下の3つのケースの何れかに該当する必要があります。
①.法的に債権が消滅した場合
会社更生法の規定による更生計画の認可の決定や債権者集会の協議決定などの事由によって債権が切り捨てられた場合には、その切り捨てられることとなった金額を貸倒れ損失に計上します。
また、債務者側に債務超過の状態が相当期間継続し、その債権の弁済を受けることができないと認められる場合に、債務免除額を書面により通知した場合にも、その債務免除通知した金額を貸倒損失に計上します。
②.法的に債権が消滅していない場合であっても、債務者の資産状況、支払能力等からみて、事実上債権の全額が回収できないことが明らかとなった場合には、貸倒れ損失を計上することができます。ただし、担保物があるときには、その担保物を処分した後でなければ貸倒れ損失を計上することはできません。
③.売掛債権の特例
1).債務者との取引の停止をした時又は最後の弁済の時のいずれか遅い時以後1年以上を経過した場合(継続的な取引を行っていた債務者につきその資産状況、支払能力が悪化したため、その後の取引を停止した場合に限られます。)
2).同一地域の売掛金等の総額がその取立旅費等に満たない場合において、債務者に対し、支払を督促したにもかかわらず弁済がない場合
上記に該当する場合は、備忘価額(1円以上)を付して、残額を貸倒れ損失とすることができます。