開業費・創業費の取り扱い
»2010年7月31日 (土)
開業費とは「開業準備の為に支出した金額」(旧商法286条ノ2)であり、「土地・建物等の賃借料、広告宣伝費、通信交通費、事務用消耗品費、支払利子、使用人の給料、保険料、電気・ガス・水道料等で、会社成立後、営業開始までに支出した開業準備のために支出した費用をいう。」(財務諸表等規則ガイドライン36)とされています。
一方、法人税法における開業費とは、「法人の設立後、営業を開始するまでの間に開業準備のために特別に支出する費用」(法令14(1)二)をいい、具体的には、法人が開業準備のために特別に支出した広告宣伝費、接待費、旅費、調査費等の費用をいいます。
これらの費用は、その支出の効果が1年以上に及ぶものとして、支出時の“費用”ではなく、“繰延資産”という資産勘定にいったんこれを計上し、将来の期間に渡り、償却を通して費用化して行くことができます。
ただし、法人の成立後、営業開始までの間に支出される費用であっても、支払利子、使用人給料、借家料、電気、ガス水道料金のような経常費的な性格を有する費用は、これに含まれませんので、注意が必要です。
また、創立費は、発起人に支払う報酬、設立登記のために支出する登録免許税、その他法人の設立のために支出する費用で、その法人の負担に帰すべきものをいいます。
なお、法人税法上の開業費及び創業費の償却は、翌期以降の事業年度において、任意に行うことができます。