法人税入門(10)-「儲け」の2つの意味
»2010年10月18日 (月)
法人税が、会社の売上高から仕入代金や人件費、家賃などの費用を差し引いて計算されるということは、もう何回もお話ししました。
売上高-(仕入高+人件費などの費用)=儲け
ただし、この「儲け」には「会計上の儲け」と「税務上の儲け」の2つの意味があります。
「会計上の儲け」を「利益」といい、「税務上の儲け」を「所得」といいます。
会計上の儲け=利益
税務上の儲け=所得
ややこしいですね。なぜ、同じ「儲け」をそんなふうに2つに分けなければいけないのでしょうか?
答えはズバリ、「法人税法」が税金を取るための法律だからです。
法人税法も基本的には会計上の決まりを尊重しています。「売上も費用も、先ずは、正しい会計上のルールにのっとって計算してくださいね」といった内容のことが法人税法の22条に書いてあります。
しかし、売上も費用も、先ずは、会計上のルールにのっとって計算することを原則としつつも、そこに「特別に決めた税務上のルール以外のものは」という一言が入っています。
これを「ベツダンノサダメ」といいます。漢字で書くと「別段の定め」。これが税務を分りにくくしている原因のひとつです。
つまり
①会計上の売上・費用+(-)税務上の特別ルール=税務上の売上・費用
↓
②会計上の儲け(利益)+(-)別段の定め=税務上の儲け(所得)
となるわけです。