不動産取得税の処理の誤り
»2010年8月19日 (木)
固定資産の取得に関連して支出する不動産取得税等の税額については、法人税基本通達7―3―3の2において、これを固定資産の取得価額に「算入しないことができる」と定められています。
ただし、この規定は、本来、固定資産の取得価額を構成すべき費用であっても、不動産取得税は一種の事後費用である上、その性格も流通税的なもの又は第三者要件を具備するためのものであるから、法人の「選択」により、損金算入を認めようというものです。したがって、支出がなされた事業年度において費用処理がなされる必要があり、その後の事業年度においてこれを修正して費用処理することは認められません。
また更正の請求についても、国税通則法は「当該申告書に記載した課税標準等若しくは税額等の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかったこと又は当該計算に誤りがあったこと」と規定しているため、選択的に法人が不動産取得税の額を固定資産の取得価額に算入した場合は、更正の請求そのものが認められません。
これについては、国税不服審判所も平成12年12月4日の裁決において「不動産取得税を固定資産の取得価額に算入した会計処理の選択の誤りを理由とする更正の請求は認められない」とした判断を下しています。