企業組織再編税制-その9
»2010年9月27日 (月)
適格組織再編成の要件
(1)100%持分関係にある法人間での適格組織再編成
組織再編成において、複数の当事者が100%完全支配関係にある場合には、たとえ当事者間で資産の移転があっても、その完全支配関係に実質的な変化はありませんから、このような完全支配関係にある法人間の資産の移転については、その対価として金銭等の授受がない限り、資産は帳簿価額で譲渡されたものとして譲渡損益の認識はされません。
(2)50%超100%未満の支配関係にある法人間での適格組織再編成
持分割合が50%超100%未満の場合には、適格組織再編成と認められるためには、移転する資産の対価として株式以外の金銭等の授受がないことの他に、次の3つの要件が必要となります。
①移転法人の移転事業の主要な資産及び負債が取得法人に引き継がれていること(適格分割・適格現物出資)
②移転法人の移転事業の従業者のおおむね80%が取得法人に引き継がれていること(適格合併・適格分割・適格現物出資)
③分割法人の事業が分割承継法人において引き続き営まれることが見込まれていること(移転事業継続要件)
この50%超100%未満の支配関係は、企業再編後も継続される見込みが必要です。
もし、再編後に50%以下の持株関係となってしまうと見込まれる場合は、適格組織再編成とは認められないこととなるので注意が必要です。