会社が上場株を持っている場合
»2010年7月7日 (水)
会社が持っている上場株の価額が、当初の取得価額にくらべ大きく下落する場合があります。この場合、会社は時価と取得価額との差額を「評価損」として計上することができます。
ただし、税務上,上場株式等の評価損を計上できるのは
①期末時の価額が帳簿価額のおおむね50%相当額を下回り、
② 近い将来その価額の回復が見込まれない
という両方の要件を満たす必要があります。
この場合、むずかしいのは②の回復可能性の判断です。この判断基準のひとつとして、「金融商品会計に関する実務指針」では
●株式の時価が過去2年間にわたり50%程度以上下落した状態にある場合
●株式の発行会社が債務超過の状態にある場合
●2期連続で損失を計上しており,翌期もそのように予想される場合
をあげています。
税務上も「特段の事情のない限り」、会計上の実務指針にしたがって評価損を計上するか否かの判断をして問題なしと考えられています。
この場合の特段の事情とは、期末直前にヒット商品や増資などがあった場合をいいます。何れにしろ、会社は回復可能性なしと判断した客観的な資料を準備しておく必要があります。